第一章 新一

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外に出ると、まだパラパラと雨が降っていた。 傘をさすのも面倒なので、二人して隣接するレストランまで走った。 リバーサイドのレストランは名前の通りメーサイ川に沿うように建っている。 ここに来てからほぼ毎日通っているため、店のスタッフとは当然顔馴染みになっている。 いつものように川沿いの奥から二番目の席に腰かけた。 ここから眺めるメーコック川の景色が、何故か好きだった。 雨露を浴びて川辺を覆う緑の草木が、生き生きと輝いている。 対岸の景色が霧がかかったように薄らいでいた。
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