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「それで、どうだった?」 次の日、さっそく母親にボルダリング教室のことを話した、と報告すると、麻里は身を乗り出した。 「最初はダメかもって思ったの。はじめはお母さんも『ボルダリングなんて、女の子には向かないんじゃない』って言ってて。でも、どうしてもやりたいって言い続けたら、『あんたがそこまで言うなら』って。こんど体験教室に行くことになった」 「すごいじゃん! よかったね」 麻里に「すごい」「よかった」と言われてやっと、よかったという実感がわいてくる。その幸福感と一緒に、麻里がいてくれてよかったという気持ちが、フツフツと出てきた。 「麻里ちゃん、ありがとう。麻里ちゃんに背中押してもらえなかったら、私、お母さんに自分のやりたいこと、言い出せなかったよ」 自分でも気持ち悪いくらい素直だな、と思いながら、遥香は思ったままを口にした。やっぱり遥香と麻里は似ている。同じことを考えていた。 「やめてよ、急に素直になっちゃって、気持ち悪い」 顔を見合わせるタイミングまで一緒で、同時にふき出した。
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