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その時、ブザーの音が響いた。
エレベーターに乗って7階のボタンを押すと鳴る仕組みだ。7階に入っているテナントはこの事務所だけ。つまり本人の知らないところで、事務所のチャイムを押したという事だ。
「水島、お客さんが来るよ。ちょっと隠れて」と小早川。
「おう」水島は急いで隣の部屋へと移動した。
カチャリと音がして事務所のドアが開いた。「こんにちは」
小早川は素早く立ち上がり、人なつこい笑顔で出迎えた。
「こんにちは。いらっしゃいませ」
「必ず自分に合った仕事を見つけてくれるというのを見て来たんですけど」
「はい。私が転職エージェント『ナリワイヤ』の小早川公平です」
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