カプチーノ

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 確かに、わたしたちは来年、大学を卒業する。わたしも沙友里も、それぞれ進路は決まっていて、沙友里はこのまま札幌で就職するし、わたしは全国転勤のある会社から内定をもらっているから、まだわからないが、きっと北海道を出ることになるのだろう。  社会人になってから、わたしたちを待っているのがどんな日常なのかはわからない。少なくとも想像できるのは、わたしと沙友里がこんなふうに、ひとつの炬燵でぬくぬくとしながら鍋をしたり、テレビを観て笑い合ったり、勉強したりする日々は、おそらくもう訪れない…ということである。  そう思うと、急に胸が締め付けられるような気持ちになった。また、わたしは自分のことを誰も知らない世界に飛び込むのだ。大学は、たまたま人に恵まれたと思っている。四年間は楽しくもあり、大変でもあった。けれど、それ以上に、わたしはこの四年間で「誰かと一緒にいる」ということに慣れ過ぎてしまった気がする。目の前でにやにやとしている沙友里にも、もうあとわずかしか一緒にいられない。そのことに改めて気づかされて、わたしは寂しくてたまらなくなった。 「桜? どないしたん」  心情を知ってか知らずか、沙友里は表情を崩さない。笑顔が、温もりが、わたしの心をかき乱す。うるさい。誰のせいでこんな気持ちになってると思ってんのよ。一応、わたしは、女なのに。

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