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「今、ある事件の犯人を追っているんですが、捜査が難航していまして。こうして、いろんな方からお話をうかがうようにしているんです。あ、別に近藤さんを疑っているわけではないので、ご安心ください」
坂本は、誰が見てもわかるような作り笑いをした。それでも、近藤は安心した様子だった。
「ご事情は承知しました。刑事さんも大変ですね。でも、どうして私に?」
坂本は、ポロシャツの胸ポケットから一枚の写真を取り出し、近藤に見せた。そして、声のボリュームを抑えながらこう言った。
「先日の花火大会の日、この男が殺されました」
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