5話

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5話

昨日、研究所からの呼び出しを受けた唯加は、始発の新幹線に乗って大阪に来ていた。 昨晩は結局、見ず知らずのバーに入り、ひとりで酒を浴びた。初老のバーテンダーは、初めは少々心配そうだったが、泥酔の予兆すら見えないことに安心したのか、オーダーされるがままに次々とカクテルを作った。 店を出たのは明け方の4時頃。大通りに出てタクシーを拾った唯加は自宅に戻り、シャワーを浴びて着替えると、メイクを整えてすぐに家を出た。 日帰りだから荷物は少なくていい。Tシャツにデニム、リュックサックを背負い、サンダルを履いている。いたって身軽な装いだ。
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