竜宮日記 第一章(1ページ~10ページ)

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 砂介は気が付けば降りられる高さまで降りて来ており。 「どうぞ」  と朝服姿の女性は通に手を差し伸べて、その好意に甘えて手を借りて砂介の背中から降りれば。  足が地に着く感触を感じ、自分は生きていることも感じる。  しかし、船から海に落ちて。それから――。  ここはどこなのだろう。どのようにして自分はここに来たのか。  見れば建物も唐風である。目の前には大手門があるが、屋根にはしゃちほこのかわりのように鳥の像があり。見ればそれは尾の長い朱雀であった。 「朱雀門?」  ぽつりとつぶやけば、砂介は「そうです」と応えてくれ。 「この朱雀の門は南、東は青龍の門で西は白虎、北には玄武の門が建っています。これらは四神門(ししんもん)と呼ばれて、この宮城(きゅうじょう)を守っております」  と、続けて通に説明してくれた。
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