3人が本棚に入れています
本棚に追加
砂介は気が付けば降りられる高さまで降りて来ており。
「どうぞ」
と朝服姿の女性は通に手を差し伸べて、その好意に甘えて手を借りて砂介の背中から降りれば。
足が地に着く感触を感じ、自分は生きていることも感じる。
しかし、船から海に落ちて。それから――。
ここはどこなのだろう。どのようにして自分はここに来たのか。
見れば建物も唐風である。目の前には大手門があるが、屋根にはしゃちほこのかわりのように鳥の像があり。見ればそれは尾の長い朱雀であった。
「朱雀門?」
ぽつりとつぶやけば、砂介は「そうです」と応えてくれ。
「この朱雀の門は南、東は青龍の門で西は白虎、北には玄武の門が建っています。これらは四神門(ししんもん)と呼ばれて、この宮城(きゅうじょう)を守っております」
と、続けて通に説明してくれた。
最初のコメントを投稿しよう!