【拾ったこたつ】

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{1} 年明け一月の… 寒い、とある休日の日曜日…。 俺は、買い物に行こうと一人、自家用車を運転していた。 と… 「うん?」 運転の道すがら、 ふと、道端に有るゴミステーシュンに目が止まった。 そこに捨てられている一台のこたつが、俺の目に飛び込んで来たのである。 「おおっ!こたつじゃないか!」 俺は車を停めて降りると、ゴミステーシュンへと近付いた。 実は… 今日の俺の買い物の目的は、 こたつの購入。 しかし、財布の中身が寒々としている俺は、 新品ではなく安価な中古品を買おうと郊外に有るアウトレット店に向かっている途中だったのである。 「もしかしたら… このこたつ、まだ使えるかもしれない!」 こういった大型ゴミを捨てる理由というのは、おおまかに二つ有る。 一つは、こたつが壊れて使えなくなったから、捨てた。 そして、もう一つは、引っ越しか何かでこたつが邪魔になったから、 まだ使えるのに、捨てた。 もしも、だ。 このこたつが、まだ使えるのに捨てられた物だとしたら… これは、タダでこたつをゲットできるチャンス!見逃すテは無いではないか! 俺は、改めてその捨てられているこたつをしげしげと見てみた。 それは、四本の『足』が付いたままの状態、『天板』が定位置に乗っかったままの状態で、そこに、でん!と置かれていた。 言わば布団を被せれば、今すぐにでも使える状態だ。 野外のゴミステーションのはずが、そこだけ、あたかもこたつが有る誰かの部屋の様な雰囲気を醸し出していた。
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