【拾ったこたつ】

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「おおっ!なかなかのものじゃないか!」 俺は、早速、こたつに入って再びスイッチを入れてみた。 やがて… じんわりと足元が温かくなる。 「いやぁ、これは快適!」 俺は、嬉々として声をあげた。 こうして! 俺の『こたつライフ』が、始まった訳だ! それから… 週が開け、月曜日になって… 俺は、職場から帰宅すると、真っ先にこたつに潜り込むようになった。 こたつに入ってヌクヌクしながら、食事をしたりテレビを見たり…。 「いやぁ、まさに至福の一時だなぁ!」 時には、こたつに入ったまんま、そのまま眠ってしまったり…。 これもまた! 至福の一時ですなぁ! こたつに入りながら… 時々、俺は田舎の家族の事を考えたりした。 俺の実家は、北海道の札幌だ。 去年の人事異動で… 何と俺は! 今までの札幌支社勤務から、東京本社勤務へと異動になったのだ! 「おおっ!やったぜ! これは間違いなく栄転だ! ああ、俺の日頃の努力が報われたんだなぁ」 と、異動の辞令をもらった時、俺は喜びのあまり小躍りした! そして今… 俺は、東京でこうして一人暮らしをしている訳だ。 「お袋と親父… 今頃、元気してるかなぁ…」 と… 俺は、こたつに入りながら札幌の両親の事を思った。 両親も、俺の栄転を祝ってくれた。 おっちょこちょいだけど、凄く優しいお袋…。 (時々、実家からいろいろと、こちらに送ってくれたりするんだよなぁ) それと、酒好きで凄く豪快な親父…。 (ちなみに親父のトレードマークはスキンヘッドと赤ら顔だ。笑) 俺は… こたつに入りながら 「今度のお盆には帰省しようかな」と、ぼんやり考えたりもした。
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