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そんな、ある晩の事…。
俺が会社から帰宅して、
いつもの様にこたつに潜り込みながら、テレビを見ていると…。
いきなり!
『ムンズ!』と!
誰かに、足首を掴まれたような気がした!
「な、何だっ?!」
俺が、慌ててこたつの中を見てみると…
当然…
そこには、『何もいない』…。
「まあ、気のせいか」
と、俺は気を取り直して再びテレビを見た。
し、しかし!
再び!
『ムンズ!』
と!足首を掴まれた!!
「うわぁ!何だ?!」
俺は、大慌てでこたつから飛び出した!
改めて、こたつの中を見てみても…
やっぱり、何もいない…。
「な、何だよ!
一体、どういう事だよ!」
俺は、焦った!
と…
不意に!俺の脳裏にある出来事が浮かんで来た!
「そう言えば…
こないだ、隣町で放火殺人が有ったって、ニュースを見た…」
…このこたつをこのアパートに持ってきた時…
こたつのあちこちに、べたべたと、こびり付いていた『すす』の様な黒い汚れ…。
そして、天板にべったりと、こびり付いていた赤黒い汚れ…。
あの赤黒い汚れ…
もしかして…
血………?!
まさか…
このこたつ…。
その放火殺人が有った家の、こたつだったりして??
「ま、まさか…」
だとしたら、殺人現場に有ったこたつを警察は押収してゴミステーションに捨てられている訳がないじゃないか。
でも、だとしたら…
今…
俺の足首を掴んだのは…
一体、『何者』だ??
俺は…
悩みに悩んで…
結局、そのこたつを
泣く泣く、元有ったゴミステーションに捨てたのだった…。
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