【拾ったこたつ】

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{3} そんな、ある晩の事…。 俺が会社から帰宅して、 いつもの様にこたつに潜り込みながら、テレビを見ていると…。 いきなり! 『ムンズ!』と! 誰かに、足首を掴まれたような気がした! 「な、何だっ?!」 俺が、慌ててこたつの中を見てみると… 当然… そこには、『何もいない』…。 「まあ、気のせいか」 と、俺は気を取り直して再びテレビを見た。 し、しかし! 再び! 『ムンズ!』 と!足首を掴まれた!! 「うわぁ!何だ?!」 俺は、大慌てでこたつから飛び出した! 改めて、こたつの中を見てみても… やっぱり、何もいない…。 「な、何だよ! 一体、どういう事だよ!」 俺は、焦った! と… 不意に!俺の脳裏にある出来事が浮かんで来た! 「そう言えば… こないだ、隣町で放火殺人が有ったって、ニュースを見た…」 …このこたつをこのアパートに持ってきた時… こたつのあちこちに、べたべたと、こびり付いていた『すす』の様な黒い汚れ…。 そして、天板にべったりと、こびり付いていた赤黒い汚れ…。 あの赤黒い汚れ… もしかして… 血………?! まさか… このこたつ…。 その放火殺人が有った家の、こたつだったりして?? 「ま、まさか…」 だとしたら、殺人現場に有ったこたつを警察は押収してゴミステーションに捨てられている訳がないじゃないか。 でも、だとしたら… 今… 俺の足首を掴んだのは… 一体、『何者』だ?? 俺は… 悩みに悩んで… 結局、そのこたつを 泣く泣く、元有ったゴミステーションに捨てたのだった…。
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