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さっきの反応からいって、麻里も大概馬鹿だ。
「ひかるくんはいただきだね。でもそしたらこころちゃんと絶交することになるんじゃないの。いいの?」
「そうなんだよね」麻里は悩ましそうにいう。「こころちゃんがいなくなったらジュース自分のお金で買わないといけないし」
きゃはははは、と二人が笑う。やがて二人は満足したのか、帰っていった。わたしとひかるはこたつから出た。わたしはまた別の意味で泣きそうだった。ぴっとひかるが録音を終了させた。
「いるか? このデータ」
「……いる。でもどうしたらいいのか」
「こうしたらどうだ」
ひかるはクラスのラインにそのデータを貼った。そして『モテすぎて困っちゃう』と書いた。既読がすぐに十件近くついた。
「え……」
わたしが絶句しているとひかるはいう。
「明日が楽しみだ」
ひかるは何事もなかったかのように、こたつでぬくもり始めた。わたしはありがとう、と礼をいって、彼の横に座った。
「あ、でも。クリスマスの翌日のデートの件はまだなにも教えてもらってない。あれはどうなの?」
ひかるは目を逸らした。危うくまた馬鹿だと思われるところだった。
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