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「オウ抜いてきたぞ退魔の剣! これで満足か?」
「グフフ。まさか再び勇者と刃を交えようとはな。此度甦った我が力を……」
「無駄口叩いてんじゃねぇ!」
「グァァアアーーッ!」
ミドルデーモンの胴を一筋の光が走った。
敵の口上を少し聞いてしまったので、倒すのに3、7秒。
18、8秒という、まさに寸でのところで解決に成功したのである。
「勇者様、ばんざーい!」
「伝説の英雄に栄光あれぇ!」
「ありがとう勇者様!」
「調子いいヤツラだよ、まったく」
「これで宿に泊まれる。ご飯もたくさんくれるかも」
無事成功したことを無表情で祝うリーザ。
時間に間に合ったことに心から安堵するマリウス。
だがそんな彼らのもとに、信じがたい報せが届けられる。
「村長! 南の村に魔族がやって来るとの事です! 明日の早朝に攻め寄せるとの予告が!」
マリウスの苦難は、こうして幕を開けたのだった。
ゆとりを持って戦える日々を、彼はいつ迎えることが出来るのだろうか。
ー完ー
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