◆ミホのラストナイト・・・

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「いやいや、好きやって言うたんやろ?それで付き合ってくれって言うたんやろ?ほんで彼女がエエでって言うたんやろ?ほんなら勘違いとは違うやろ?」 矢継ぎ早の質問攻勢はまだまだ続く。 「キスはしたんやろ?エッチはまだか?まさか両方まだってことはないやろ?」 「シンちゃん、ワシも興味あるなあ。どうやったらそんな若い子をモノにできるんか是非とも教えて欲しいなあ。」 秀雄の質問攻勢の後に親方が上乗せしてくる。 「二人とも興奮しすぎや。まだボクも舞い上がってる最中やから、もうちょっと待って。」 「せめて写真ぐらい撮って来てな。」 今日はこの辺で納得せざるを得ない親方と秀雄だった。なんせ進也が簡単に情報を開示しないので、これより先に進むことはなさそうだと諦める。 「まあでもシンちゃんも新しいパートナーが見つかったんや、素直に喜んであげえな。」 「あんな親方、オイラは妬んでなんかないで。むしろ応援してたんや。喜ばしいことやと思てる。あとは、その彼女から友だちを紹介してもらうだけやし。」 親方と進也がとたんに目線を合わせて息を呑んだ。そして二人で声を合わせて嘆く。 「それはないやろ。」 三人による、進也の恋物語を肴にした今夜の宴は、楽しそうな笑い声とともに初冬の夜に花開いていった。
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