◆思い出す・・・

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中でもボクはこの店のホームページを見て出勤情報を確認したり、彼女たちが書いているブログを見たりするのが楽しみになる。凝り性のボクは、これを機会に店のサイトを毎日チェックするファンの一人となるのである。 ミホの出勤は基本的に「月・水・土・日曜日」。ミホの情報によると平日の、しかも中日にあたる水曜日の客入りが少ないらしい。しかもオープンから数時間の客入りが更に少ないと言う。だからその時間帯は料金も少し割り引きになっている。 ボクとしては願ったり叶ったりだ。当然ながら、独占指名でまったりできる方がありがたいに決まっている。必然的にボクの出動ターゲットはその水曜日となる。 わざわざ混んでいる週末に出動して、何人もの指名客と被るのは嫌だ。 聞いたところによると、この店の一番人気のヒトミ嬢でも火曜日や木曜日あたりはヘルプに回ることがあるという。 それでも多くの人は週末に行くんだね。なぜならば、彼らは飲み会の後の二次会や三次会に活用するらしいから。ボクみたいに単純に嬢に会いに行く人は少ないのかも。 ヒデちゃんがボクにも内緒で通っているパターンも飲み会の後らしい。ボクと飲んだ後も他の友人と飲んだ後も、おおよそは夜の九時を回っている頃。 ボクはわかっていても知らぬフリをしてヒデちゃんと別れていく。 「シンちゃんも楽しかったんやろ?一緒に行こうな。」 何度か誘われたこともあったが、その都度断っていた。「ボクはそういう店が苦手」それがボクのイメージなのだから。 ボクの次の出動予定日となっていたのは、前回の訪問から二週間が経過した水曜日。それが今日なのである。暦はすでに新しい月に変わっている。 朝からシャワーを浴びて身なりを整えて髭をあたる。 午前中から楽しみ満載で気分はワクワク。仕事なんて糞くらえとばかりに、時間が過ぎるのを待つのである。 やがて終業時間が過ぎ、ヒデちゃんにも内緒でこっそりと会社を出た。 『エロチックナイト』は会社から電車で約十分。電車の中ですでにワクワク感がマックスになっている自分が少しバカみたいだと思った。 しかし、こんなにワクワクしてどこかへ出かけるなんて何年ぶりだろう。こういう感じも久しく忘れていた。 おかげで店に向かう足取りも軽い。
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