◆逢瀬、そして契り・・・

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「ヤクザみたいな人でめっちゃ怖い人やから近寄らん方がエエでって言うといた。その方がええかなと思って。」 「ははは、それおもろいな。」 「それでもミホのお客さんはそんな多くないし、今日はフリーにも回らへんかったし、ホンマのヘルプだけやったから、二人ぐらいかな、最後に指名したかったって言われたの。」 「そんなとこへボクが行ってたら、なんかしらトラブルがあったかもしれんな。ラストタイムに合わせておいて良かったな。」 彼女がブログに卒業の記事をアップしたときに少なからず進也は他の客がいる時間帯に訪れるべきでないことは理解していた。 「それはそうと、次はいつ会えるん?シンちゃんのお休みは土日やろ?リナのお仕事は次のお休み水曜日と土曜日やけど。」 「ほんなら火曜日は何時に仕事終わる?ボクの会社の近くまで来られへんかな?紹介したい人もおるし。」 「夕方四時ぐらいには仕事終わるけど。それってマヤさんのお客さんって言うお友達?」 「それと世話になってるホルモン屋の親方。大丈夫やって。お店用と普段のメイクは違うからわからへんて。なんか言うてもシラを切りとおしたらエエねん。」 「そうやな、それに別にばれても大丈夫やで。ウチ、ホンマにヘルプのときは絶対チューもお触りもさせへんかったし。」 「ほんなら六時半ぐらいに地下鉄A駅の中央改札まで来てくれる?」 「うん。次の日は休みやから、お泊りの用意して行ったらエエねんな。」 「泊まりに来てくれるん?今日は無事に帰してあげるけど、ホンマはリナの人肌も恋しいねん。翌日ボクは休みちゃうけど、隣のN市に行く出張作るから、近くまで送って行ってあげられるで。」 「そんな都合つけられるってすごいな。」 「たまたまボクのお得意さんがあんねん。これも運命の一つやったかもしれんな。」 「これから、そこへ行く出張の回数が増えるんちゃう?」 「へへへ。そうかもね。」 こうして二人は次のデートの約束を交わした。 「今日は家まで送ってくれる?自転車乗って来てないし。」 「もちろんええで。そのかわり家がどこかバレてもええねんな?」 「うふふ。いつかお父さんやお母さんに会いに来なアカンねんで。」
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