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クルマがリナの家近くに着いたのは午前二時半の少し手前だった。元来飛ばし屋の進也は夜中と言うこともあり、そこそこスピードを上げて走り抜けた。もしもお巡りさんがいたら、かなり叱られたことだろう。
別れ際、進也はクルマの中でそっとキスをする。
「じゃあ明後日。お父さん、お母さんによろしく。」
「うふふ。まだシンちゃんのこと詳しく話してないし。じゃあ明後日な。」
進也はリナが家の玄関を入ったことを確認してハンドルを回転させた。これで無事に送り届ける任務は完了したのである。
その夜、進也が帰宅したのは午前三時を少し回った頃。昼寝をしていたのが功を奏したのか、まだ睡魔は襲ってこなかった。
それでも朝の出勤を考えて、シャワーを浴びて床に入る。ウトウトしだしたのは、そろそろ四時になろうとしていた頃だった。
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