18人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな普段の生活に少しうんざりしている自分がいるから、こうして現実逃避をに来ているようなものである。
「一緒に住むかどうかは別として、まずは焼肉を食べに行こう。」
「いつ?いつ連れて行ってくれるん?」
「せやから、お客さんと一緒に行ったらアカンて言われてるやろ。」
「シンちゃんやったらエエって言われた。」
「ウソやろ。そんなわけないやん。」
まさにそんなわけあるはずがない。お店のスタッフに知られているほど、ボクはまだ常連客ではない。
「ミホがエエって言うたらエエねやろ?お店の人にいちいち言わんでもええやん。ミホが嫌なお客さんに誘われたときにお店の人に言うねん。シンちゃんは嫌なお客さんちゃうから大丈夫やで。」
そういわれると、かなり嬉しい。
「そやけどボクも普通に男の人やで。まさか襲ったりはせえへえんけど、エッチなことにならんとは限らんで。」
「きっと、シンちゃんは大丈夫な人や。それに別にそうなった時はそうなるときなんちゃうかな。きっとならへんと思う。」
「あんまり信用しすぎたらあかんで。」
「ほらな、シンちゃんはちゃんと心配してくれるやん。他のお客さんでそんな心配してくれる人おらんもん。」
またボクの中で葛藤同士を戦わせなければいけないのか。
「もうちょっとボクのことをよう見てから判断し。それでも大丈夫やと思たら、そんときに行こか。」
「慎重やな。」
「ボクの信用問題やからな。慎重になるで。よし、その話は終わった。今日はまだミホの匂いもミホのおっぱいも堪能できてへんねん。ちゃんと遊んでな。」
「うふふ。シンちゃん可愛いな。」
「こら、おっちゃんに向かってそんなこと言うたらアカン。どんどんメロメロになってまうやんか。」
などといいながら戯れつつ、いつものように“シンちゃん座り”をしてもらい、匂いとおっぱいを堪能していく。今はこれだけで十分に楽しいのだから。
こんもりと盛り上がった丘陵はボクの手の中で弾けてくれる。指先で頂点の碑を押したり挟んだり摘んだりすると、甘い吐息の木霊が聞こえてくる。
その木霊の発する祠には、ネットリとした温かくて柔らかい女神が鎮座していた。座したまま眠っている女神さまを静かに呼び起こすと、彼女は丁寧にボクを迎えに来てくれる。
やがてボクたちは、本物の恋人同士であるかのように甘いひと時を過ごすのである。
最初のコメントを投稿しよう!