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あの日の翌日、「昨日はゴメンネ。早く元気になります。また会いに来てね。」とメールが入っていた。
ちゃんと気遣いをしてもらえてると思えばありがたい。また顔を見に行こうかなと思う。そんなものである。
そして翌々週の水曜日の夜。またぞろ出向くのである。もちろんミホに会いにである。
例によって朝から髭をあたり、パシッとしたパンツをはいて。
仕事終わりの時間が来ると、一目散に片付け始める。すでに一時間ぐらい前からいつでも終われるタイミングで仕事をしていた。もはや何かに憑かれているといっても過言ではなかった。
ところが、である。
『プルルルルル。』
あと数分でパソコンの電源を切ろうとしたところで、目の前の電話が音を立てて唸り始めた。嫌な予感が頭をよぎる。電話は東京の本店からだった。
「ああ、シンヤか。」
聞き覚えのある先輩の声。数年前に東京の本店に転勤になった馴染みの先輩だ。
「こないだ提出のあった報告書の一部に修正が必要だよ。今すぐやり直してくれないか。」
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