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もう一度尋ねた。
やっとの思いで顔を上げてボクを見る。
「今さっき、ヒトミさんのお客さんのヘルプに行ってたんやけど、めっちゃ嫌な人やってん。ヘルプやのにいきなりいやらしいとこガンガン触ってくるしな、いやらしくチュウしてくるしな、それに今日のフリーのお客さんも変態っぽい人が多い。」
それを聞いて少しブルーになるボク。もしかして前回の続きかな。
「わかった。ええよ。ボクんとこで休憩しとき。」
「あかん、今日はシンちゃんにはがんばらなアカンねん。前んときガマンしてもらったんやから。」
「ええねん。ミホの辛い顔見るのはいやや。ボクんとこでゆっくりしていき。」
「優しいな。ゴメンな。ほんならちょっとだけな、ちょっとだけ待ってな。」
そう言ってミホはボクの腕にしがみつく。
平日の人気嬢であるヒトミ嬢の客はこの日もそこそこの入り具合だった。そんなときに出勤の嬢が少ないと、例え指名していてもヘルプに借り出される。この日のミホも同じだ。
ボクのところで休憩していても、十五分もすればヘルプに誘う場内コールがかかる。
=ミホさん一番テーブルラッキータイム=
これはヘルプに行ってねという合図。
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