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聞こえはいいが、今日のミホにはラッキーでもなんでもないようだ。
「行ってくる・・・。」
心なしか元気のない声でボクの元を離れていく。
この日は出勤している嬢が少ないので、ミホがヘルプに行っている間のボクはひたすらロンリータイムとなる。
その間、彼女がどんな顔でヘルプの席についているのか。ちゃんと接客できているのか。親でもないのに心配しているボクは一体なんなのだろう。
いやらしいところを触られてないかとか、無理やりキスされてないかとか、どんどん心配になってくる。
やがてヘルプの役割が解放されて、ボクのシートへと戻ってくる。
そして先ほどと同じようにボクの腕にしがみついて開口一番、
「やっぱりシンちゃんとこがいい。」
それはそれで嬉しいセリフだが、
「またへんなところ無理やり触られたりしたん?」
「ううん。今度はマシやった。せやけどあの後ろにいるお客さんがいやらしいねん。」
「ほんなら呼ばれんようにおまじないしたげるわ。それまでは抱っこだけでエエからな。」
ちょっとだけミホの体を引き寄せる。ミホもボクの方へと体を預けてくる。そして頬をボクの腕に擦り付けて、
「他のお客さんがみんなシンちゃんみたいに優しかったらええのに。」
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