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確かにその通りではある。ボクは彼女の美しい曲線ラインに惹かれてこの店に彼女目当てで来ているのである。だからボクにとっては彼女の美しい曲線ラインを堪能しなければ満足できないのである。
「やっぱりシンちゃんとこがええわ。」
「えへへ。」少し照れながら、それでもボクはビキニの中へ手を忍ばせる。
そして唇を奪いに行くと、ミホの女神様がボクを迎え入れてくれる。
そして数分後、さっきと同じテーブルからの呼び出しがかかる。
先ほどのフリー客が、顔見せで気に入ったミホを指名へと変えたのである。
「指名された。行ってくるわ。」
席を離れる声が弱々しい。
しかし、これが彼女の仕事。確かにいい客ばかりではあるまい。ボクも決して自分でいい客を自覚しているわけではないが、マナーはお互いのためと思っている。金を払っているから何でも許されるなんて思ってはいない。それどころか本気で惚れ始めているのだから論外なのかもしれないが。
しかし、客の中にはそう思わない輩もいるだろう。
やがて、彼のところからボクのところへ戻ってくると、ミホの方から唇を求めてくれる。
「お客さんやからしゃあないな。ミホのこと気に入ったんやったら延長しはるかもよ。」
「ううん、それでも触らせてへんから、きっとすぐに帰ると思う。」
などとタカをくくっていたのだが、次の彼への接客タイムのときに、延長催促のコールが聞こえた。そして数十秒後、彼がミホの指名を延長したことがわかるコールが聞こえた。
やがてボクのところへ戻ってきたミホ。
「やっぱり延長したでしょ。」
「帰ったらアカンって言うたってん。シンちゃんがおるから、ガマンできるし。」
そういった途端のことであった。
=二番テーブルラブアタック=
ボクの時間がそろそろお終いですよというコールである。
それが聞こえた瞬間、ミホがボクに抱きつく。
「シンちゃんお願い、帰らんとって。」
ボクはちょっと意地悪な言い方で、
「彼への延長はキミが催促したんやろ?彼が帰ったなら、その代償にいてあげてもいいかなと思ったけど。」
「だって、ミホも仕事分は稼がなアカンし仕方ないやん。シンちゃん帰ったら、あの人に付きっ切りになる、嫌や。お願い、今日だけ、今日だけワガママ言わせて。」
ミホの訴えかけるような眼差しが可愛くないわけがない。しかも本気の嘆願だ。
「いいけど、ボクももっとスケベになるかもよ。」
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