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「いいねん。シンちゃんやったらええし。」
そこまで言われたらボクは大満足である。今までのミホとの熱いじゃれあいを取り戻すチャンスでもある。彼とチキンレースをするつもりはないが、ミホの嘆願ともあれば否やはない。ボクはニコッと微笑んで延長を申し出た。
「ありがとう、シンちゃん。」
それからのミホは従来通り、いやそれ以上の抱擁と口づけとおっぱいのサービスをボクに施してくれる。
時折り彼の席に呼ばれて戻ってきた後はなおさらである。
ボクにとってアンラッキーだったのは、さらに十数分後に別の新しい指名客が増えたことだ。それについてミホは上機嫌になっていた。
「今はヒトミさんとおんなじだけの指名受けてる。シンちゃんのおかげや。ありがとう。」
ボクの腕の中で満足げなミホがボクに口づけをくれる。
「そろそろ焼肉いけるかな?土曜日が休みなら行けるんちゃう?」
「そうやな。行けるな。」
「アカンて言うたやろ。お客さんと行ったら。」
「でもな、シンちゃんとやったらホンマにええで。連れてってえな。」
「焼肉とホルモンとどっちがええ?」
「えええ?迷うなあ。どっちも好きや。」
「お客さんについて行ったら襲われるで。」
「シンちゃんはそんなことせえへん人やもん。土曜日楽しみにしてるな。」
どこまでが営業スマイルかわからないが、今日のとっぴな客はよほど嫌な客だったのだろう。そんな日は、思う存分慰めてあげるしかないよね。
やがて、ミホにとって嫌だった客の帰る時間が来たようだ。延長はしてもらったものの、あんまりサービスをしなかったと見える。
その数分後に、ボクのエンディングタイムがやってくる。
「今日はホンマにありがとう。焼肉の連絡楽しみに待ってるな。」
最後に渾身のキスを与えてくれて、今宵は送り出されるのである。
ちょっとウキウキする土曜日。
そんなタイトルをつけたくなるような土曜日が来るかもしれない。それほどかなり具体的な約束だった。それがいつになるのかはわからないけど。
ミホとデートができるかも。こんなワクワクした気持ちはいつ以来だろう。
あんまりすぐの土曜日の設定だと、ちょっといやらしい気もしたので、その次の土曜日を仮定してみた。
しかしその土曜日は丁度お盆の真っ最中だ。ボクには特に用事はないが、彼女はそういう訳にはいかないだろう。従って、さらにその次の土曜日をXデーと仮定した。
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