◆告白・・・

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ミホは進也の体を少し離して、笑みを浮かべながら尋ねた。 「どこに行きたい?どこでもええねやったらドライブに行こか。琵琶湖一周とか、六甲山とか、日本海とか。」 「ミホは寒いのは苦手。できたら暖かいとこがいい。」 「もう十一月やで、暖かいとこなんかないで。温泉でも行く?」 「温泉に行っても混浴じゃなかったら結局一人やん?」 「ええ、混浴でもええの?」 「シンちゃん一人だけやったらええで。別に恥ずかしいことないで。せやけど、他の人がおったら嫌や。」 「どっちみち暖かいとこなんてないから、ドライブがてら美味しいもん食べに行こか。和歌山の南潮市場なんてどう?」 「ええで。シンちゃんが連れてってくれるんやったらどこでも。」 「ほんなら来週の土曜日にしよか。時間はまた連絡する。」 「うん、わかった。」 これで次のデートの約束が取れた。あとはこの店の時間の限り、許される範囲でミホの若さを堪能するだけである。彼女の若い皮膚は進也を痺れさせるに十分な鮮度と弾力を保っていた。絹のようなその肌触りに翻弄されるほどに。 今日は珍しく場内コールがかからない。シートに座ってからずっと二人の間には、まったりとした時間が流れている。 進也はミホの丘陵の頂点へ口づけで奉仕する許しを請うた。ミホは観音様のような微笑を返して、その許可を与えた。進也は丁寧にそしてソフトに愛でていく。 やがてミホの唇から吐息にも似た小さな声がもれてくるのが聞こえてくる。その声を合図に進也は再びミホの唇へのあいさつを求め、さらには奥に鎮座する女神様への訪問を求めた。ミホの唇はその瞬間に薄く開いた状態になり、中から静かに女神様が現れて進也を出迎えてくれる。彼女の女神様が漂わせる、うっとりとさせる芳香が進也の正常な感覚を奪っていく。 「ボクはどんどんミホに溺れていくような気がする。」 今日の進也は、それだけを言うのが精いっぱいだった。 「うふふ。息ができんぐらい溺れさしたるからな。」 そう言ってミホは進也の顔を自分の胸の谷間に埋もれさせた。進也はミホの胸の谷間で首筋や唇とはまた違った匂いを堪能できた。自分が匂いフェチであることを再確認した瞬間でもあった。充分にその匂いを堪能した後に顔を上げて瞳で対峙する。 「このまま窒息して溺れてもええと思った。」 「あかんで。ちゃんとミホを次のデートに連れていってくれんと。」
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