Prolog

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「俺、お前の事そんなに好きじゃなかったんだよね。」 「え……?」 あっさりしたこの別れは僕が中学校から卒業する3ヶ月位の時に告げられた言葉だった。 あのあと僕は結局呆然としていて、彼が立ち去ったことも分からなかった。 ―・・・好きじゃなかったって、いつから? 自分で言うのはなんだけれど、僕は好きな人はとことん甘やかしたくなるタイプで、自分の事や都合は後回しで彼に尽くしていたと思っていた。 (…思って…いたんだけど…。) 後から聞いた話によれば、彼は本命がいて。そして僕は彼にとっては都合のいいセフレのような存在だったらしい。 (…そっかぁ。僕、いらないんだ…。) じわりと眼から溢れそうになる涙をぐっと我慢したけれど、やっぱり、駄目だった。 「ーーーっ!ぅ、ひっく、ふ、うううっ!」 ふるふると細い方を震わせて涙を堪えるその姿は誰の心をも揺さぶる程に儚げで、そして美しいものだった。 と、思うじゃろ? ところがどっこい、この子はなんと 「ーーーやったぁあぁああっっっ!!!あんな面倒臭い男と別れられるなんて!やっばい、ちょーよかったァーーー!!」 見た目は儚い美人、だけど中身は超今時男子。 これはそんな見た目を裏切る中身の僕が、本当に好きな人ができるまでのお話 「あ、好きな人には尽くすのはほんとだよ!勘違いしないでね!」
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