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ここ、どこ?
ぼんやりとアリーセは辺りを見渡した。
見覚えのある風景。
雰囲気は少し違うように感じられたが、ここは間違いなく〝灯〟の裏庭だった。
ギゼラが召喚した〝異界の王〟は自分を時空の果てに飛ばすと言った。
いや、思えばあれが本当に異界の王と呼べるのかも怪しいものであったが。
それにしてもここはいつの時代か。
過去にしても未来にしても、アリーセのいた時代よりもそう遠くはない時代に感じられた。
上空を仰ぎ見て季節は春と知る。
満開に咲き誇る桜の花がそよ吹く風に揺れていた。
「大丈夫か?」
不意に下から声をかけられアリーセは肩を跳ねた。
視線を落としてさらにぎょっとする。
男の子が地面に寝そべっていた。
自分と同い年くらいの少年の上、それも腰のあたりにまたがって乗っかっていたのだ。
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