雪明かりの夜、君を想う

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古い団地の、お隣の部屋に住んでいた光希。 同じ間取りの窓から、同じ景色を眺めながら、私たちはまるできょうだいのように育った。 小学校も中学校も高校も……気づけば光希は私の隣にいた。 「あんたたちって仲いいよね」 「ほんとうに付き合ってないの?」 周りの友達からそうひやかされても、私と光希は変わらなかった。 あまりにも長い間一緒にいすぎて、この生ぬるい関係から、抜け出すきっかけがつかめなかったのかもしれない。 高校を卒業した私たちは、二人一緒に上京したものの、通う大学は別だった。 そこで私は初めて、光希と離れ離れになったのだ。 ずっと憧れていた都会での生活。新しい人間関係。 どれも望んでいたはずのものだったのに、なぜか感じる物足りなさと心細さ。
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