雪明かりの夜、君を想う

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私たちの住んでいた街に、めずらしく大雪が降った夜。 四階の窓から見える景色が、どんどん白く変わっていった。 きっと隣の部屋に住んでいた光希も、私と同じものを同じ気持ちで眺めていたのだろう。 朝まで待ちきれなかった光希に誘われて、家をこっそり抜け出した。 降り続く雪が、見慣れた景色を幻想的に変えていく。 夜なのにぼんやりと明るい、音の消えた不思議な世界。 その中に立っているのは、私と光希の二人だけ。 光希は嬉しそうに、まっさらな雪の上に小さな足跡をつけた。 「明日の朝じゃ、誰かに足跡つけられちゃうから」 そして二人で雪をかき集め、大きな雪だるまを作ったのだ。 あの夜のこと。光希はまだ覚えているかな。 もしかして、いつまでも過去を思い出して立ち止まっているのは、私だけなのかもしれない。
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