プロローグ

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ここは何処だろうか? 上を見れば広い広い青空あり前を見れば生い茂った草原途方もなく続く。俺はなんでここにいるのかも、どうやってここにきたかもわからない。それどころか昔の記憶など微塵も思い出せない。何もかも記憶がない。自分の家族、友人、何処で暮らしていたのかもだ。 何もわからない俺はこれからどうやって生きていけば良いのかもわからない。路頭に迷うしかないのだろうか。 そんな事を考えるのを止めれば足元がチクチクすると。下を見ると裸足だ。一番、疑問に思ったのが大きさだ。俺は勝手に大人だと思い込んでいたが足がすごく小さい。試しに、手を見るとぷにぷにと柔らかい小さな手があった。 自分が幼児であることを自覚した。幼児にしても親はどこに行ったのだろうか? こんな、思考回路が達者幼児もいないだろう。不思議なことばかりだ。 途方も無いだろうがこの小さな足で歩けるところまで歩くしかないだろう。そんな事を思っていたら空から声が。 『あなたはこの新しい世界で生き抜くのです』 今の声は一体どこからしたのか、大きい声で叫ぶと声にならない。 「だぁだぁー。ぁう?」 因みに今いったのは(誰だ。あれ?)だ。そのあと何度も叫ぶがその声は虚しく誰にも届くことはなかった。 今の女性が言っていた新しい世界って言う言葉が気になる。俺はこの世界じゃないところから来たのだろうか…
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