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「ガメツ!」
「ガメツくん!」
自分を呼ぶ声が、遠くで聞こえる。
『シャァァッ!』
謎のヘビは腕に噛みつきながら、雄叫びのような声をあげる。ガメツの体に、毒を注入しようとしているのだ。
鋭い牙が腕に刺さっているというのに、痛みを感じない。痛覚が麻痺している。
「こ、こいつが……!」
必死の形相で、声を絞り出す。
「こいつが……!」
「そうだ、そいつがツチノコだ!待ってろガメツ、今行くから――」
「こいつが100万円かぁぁぁぁッ!!」
ガメツは右腕に力をこめる。
牙が抜けないようにしているのだ。
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