金欠青年、野望を語る

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「んん?未確認生物(UMA)の特番?清士郎、お前こういうの好きだったのか」 「いや……」  画面の奥では、博士のような恰好をした老人や、最近流行りのアイドルがひな壇に座り、やけに画質が荒いVTRを眺めている。 「うさんくせーなぁ。ほんとにいるのかよ、未確認生物(UMA)なんて」 「まぁ、いるかわからないものを探すのがおもしろいんじゃないの」  どうやら番組も終わりに近いようで、司会者が締めの言葉を述べはじめた。ガメツはその台詞を聞きながらも、次の番組はなんだったかな、と漫然とした思考に入っていく。 『今回、残念ながら我々は「それ」を見つけることができませんでした……』  そう。ガメツは、思ってもいなかったのだ。 『そこで、視聴者のみなさんにご提案があります!』  その時、その瞬間。司会者が、高らかに発した言葉が。 『我々が見つけられなかった「ツチノコ」を探し当てた方には、100万円を進呈いたします!』  のちに、「UMA未確党」を生み出すということを。
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