金欠青年、田舎を行く

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――――――――――――――――――――――――――――――――  昨日、あの未確認生物(UMA)番組の終わりに司会者が言い放った言葉は、稲妻のようにガメツの脳裏を打ち抜いた。100万円という単純かつ力強い数字が、彼の頭の中で反響し、しばらくの間、その体の動きを止めた。  番組が終わった後に流れるテレビCMの音声だけが、静かな部屋にこだまする。  やっとのことで開いた口は乾ききっており、絞り出した言葉は衝撃のあまりかすれていた。 『清士郎』 『おいガメツ、まさか本気で――』 『行くぞ!お前の研究が役に立つ時が来た!』 『あれ高いんだって!そんなにホイホイ使えるもんじゃ……』 『賞金で払う!明日、すぐに出発するぞ!』 ――――――――――――――――――――――――――――――――
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