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「それで……、やはりショックは大きかったですか? 」
「そうですね。
週刊誌の取材を受ける日が自分に来るなんて、そんなこと、思ったこともなかったんで」
明広にジッと見つめ返されたので、佐島は、さも同情しているように、眉を下げた。
「小早瀬さんが遭ってしまった婚活詐欺、最近、多いらしいんです。
今回の記事が読者である世の男性への啓蒙と、注意喚起に繋がれば良いと考えてます」
「そうですか。
…わかりました」
「当然、小早瀬さんのお名前もお相手の名前も記事には出ません。
小早瀬さんは “Aさん” 、相手の女性たちは “A子さん” “B子さん” …とアルファベットですので、ご安心ください」
すると、なぜか明広が「フハッ」と笑う。
「え? 何か問題でも? 」
「いや、 “A美さん” “B美さん” じゃなくて? って思っただけです。
ははは…、なんでもありません、気にしないでください」
「はあ」
佐島は、このあと明広の口から出てきた女性たちの名前をメモする過程で、明広のこの自虐的なボケの意味を理解した。
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