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◇
俺は自宅マンションに帰ると、横文字の企業名のパンフレットと、渡された端末をリビングのテーブルに置いた。
コンサルタントの荒木さんが手にしていたiPadのような端末が、今は自宅にある。
「…登録しちゃったよ」
俺の名前は小早瀬明広。
年齢は44歳。
アラフォーだけど、来年にはアラフィフになってしまう男だ。
一応、都内の有名私立大学を出て、一部上場企業の大手消費材メーカーに入社。
営業から始まり、いくつかの部門を経て、今はあるブランドのプロダクトマネージャーをしている。
ドラッグストアに行けば、俺が関わった商品群を目にすることができるし、誇りを持っているけれど…。
8年前に購入したこの分譲マンション。
その洗面所にある洗濯機上部の棚。
そこに並ぶ、我が子のような商品たちを見ると、苦い思い出も蘇ってくる。
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