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掘り炬燵の中で空手黒帯の私達の蹴りを食らった、顔面がボコボコになり血塗れのおかっぱ頭の童が、赤青の子鬼や獣の耳や尻尾を生やした子供達に担がれて部屋を出て行く。
部屋のドアがパタンと閉められた音で、私と妹は我に返る。
そして2人で同じことを口にした。
「「モフモフしたいね」」
私と妹は双子、その所為か好みが同じで考えている事を口にせずとも分かり合える。
考えた事を実行に移す為、私達は部屋を出て行った子供達の後を追う。
旅館の従業員宿舎の前で子供達は、おかっぱ頭の童を担いでいる子鬼達を除き、思い思いの方向に散って行く。
散って行く者達の中の狐の耳と尻尾の少年の後を付け、人気の無い所で後ろから少年の首筋に手刀を見舞い気絶させ、手足を縛り猿轡を噛ませて駐車場に運び、車の後部座席に放り込んだ。
少年が気絶から覚める前に、此処からは敏速に行動しなくては。
部屋に戻り荷物を纏め、フロントで清算する。
「こんな時間に御出立ですか?」
夜の10時過ぎに清算を行った所為で、旅館の人に不審な顔をされ問われたので、「身内に不幸がありまして」と返事を返す。
車に荷物を積み込み出発しようとしたら、車の前に顔面が腫れ上がったおかっぱ頭の童と赤青の子鬼、それに多数のモフモフ(獣の耳や尻尾を付けた子供達)君たちが立ち塞がった。
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