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冴島は、一晩飲み明かした朝に、二日酔いで頭がフラフラする中、一旦自宅に帰った。 そして、着替えや食べ物をカバンにつめこんだ。 本来は妻に頼みたかったが、家事もロクにやらなくなった妻など、当てにするのが面倒だった。 それに、今日は朝から、妻は留守にしていた。 冴島はタンスに入っている下着類を、捜査が長期戦になりそうなので、根こそぎカバンに入れ、キッチンへ行って、戸棚からインスタント食品の類をあるだけ取り出し、カバンに入れた。 カバンがパンパンになったので、チャックを閉め、風呂場に出向いて、冴島は二日酔いの頭をなんとかしようと熱いシャワーを浴びた。 風呂場から出て、新しい下着とブルーのボタンダウン・シャツ、別のグレーのスーツとレジメンタルのネクタイに着替え、TVを見ながら、バーからの帰り道のコンビニで買ったサンドイッチを食べ、コーヒーを飲んでいた冴島は、その時、TV台の横に、大き目の封筒があるのが目に入った。 自分宛てか?と思い、封筒を手に取ると、宛て先は妻宛てで、差出人は光調査事務所となっていた。 光調査事務所とは、興信所や探偵社ではないか?と思い、封筒の中を見ると、やはり興信所の調査記録が入っていたが、その調査の中身は、なんと冴島と牧村由希子の浮気調査の記録だった。     
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