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ルイーズは戸惑った。まさかそんなことってある? なんて思い浮かべながら、少女に「大丈夫」と笑みを向ける。
「別にいいよ。いつまでも待つからね」
少女は心なんて見えない「ありがとう」を言い、そのまま帰ってしまった。
その日から、ルイーズは待ち続けた。友達がお祝いをしてくれるのを。
三日が経ち、一週間が経ち、一ヶ月が経ち……。
「ルイーズの誕生日プレゼント忘れてた。ごめん、後で作るからさ」
そう言われたのは三ヶ月後。彼女がプレゼントをくれることはないと、ルイーズの中で決定した瞬間だった。
「……もういいよ。プレゼントなんていいからさ。それよりも、私が贈ったプレゼントはどうだった?」
友達に似合うと考えた、少し大人びたデザインのネックレス。デイジーの花がいくつも連なっていて、ルイーズは好きだった。
「え? ……ああ、あれね。箱に入れたままにしてるよ」
「可愛かったでしょ? 似合うと思って買ったのよ」
「…………へえ、そうなんだ。ルイーズにとって私に似合うものってああいうのなのね」
口の端を上げ、馬鹿にするような表情。ルイーズは驚いて何も言えなくなった。
「素敵なものをありがとう。大切に持っておくわ。それから、プレゼント別にいいなら贈らなくてもいいよね。用意するのも面倒だし」
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