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少女は笑顔で言い、ルイーズの前から立ち去る。
ルイーズは家に帰ってから泣いた。プレゼントが欲しかったからではない。友達が約束を破ったことがただ悲しかった。友達のために一生懸命考えたプレゼントが、実は本人にとって心打たれる物でなかったことが恥ずかしかった。
この日から、ルイーズは約束を守らない人が嫌いになった。さらに誕生日も嫌いになった。
自分が相手の誕生日を祝ったところで、自分には「誕生日おめでとう」の言葉も返ってこない。そんなことが不幸にも十九歳の今まで起きてしまい、彼女は友人たちを信じられなくなり、「誕生日」が来るたびに悲しい気分にさせられた。ルイーズの誕生日は、誰も覚えてくれない…………。もう、誕生日を誰かに祝ってもらうことは諦めた。
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