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クッキーの正体とはいかに
そらクリスマスだ、やれハロウィンだ。そしてお次はバレンタイン。日本はいつからこんな国になったんだ。やさぐれる感情を宥めるように、俺は通いの喫茶店へ足を運ぶ。
カランコロン…押し開けたドアのベルがレトロな音を奏でる。そして、店内を軽く見回すと、今日もいた。そこまで忙しくない店内で、一人忙しなく動く小さな店員。身長を少しでも高く見せるためか、高い位置で括ったポニーテールがフワフワ動く。「注文、良いですか」カウンターに近づいた俺に、振り向いた彼女の瞳が少しだけ大きく見開かれる。俺があまりにも通いつめるせいでお互いちょっとした顔見知りの関係になった。「いらっしゃいませ!いつものケーキセットでよろしいでしょうか?」「はい、お願いします。」お陰でこのようなやり取りが成立してしまった。いや、決して嬉しいとか、作戦成功だなんて全然、全く思ってなんかいない。
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