第1話 池元班

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今、横一列に並んでる池元班は私含めて5人いた。 そして係長合わせて6人。 あと1人足りないのだ。 「あと1人はね……」 日野さんが私の問に答えようとした時だ。 会議室の正面のドアが開き、そこから続々と管理職クラスの捜査員達が入ってきた。 その中には池元係長の姿があった。 私達、捜査員全員は彼らが入って来るなり、すぐに立ち上がった。 「あの人を見てごらん」 日野さんが私の耳元に近づき、囁くように言った。 私は日野さんの視線の先にいる人物に注目した。 年は40代前半で背が高くガタイのいい男性に見えたが、その人が誰なのかまだ分からなかった。 「あの人は猿渡(さるわたり)管理官。恐らくこの事件はあの人が陣頭指揮をとるだ」 「はず?はずって何ですか?」 私がすぐにそう聞くと、日野さんは口では答えずに目で前を見ろと促した。 すると、次に現れた人物に日野さんの答えがあった。 「本多一課長……」 本多一課長の姿を目にした時は周りがざわめいた。 「普段は猿渡管理官が指揮を執るんだ。だけど今回は一課長直々に陣頭に立つ。それはつまりこの事件の重大さを意味しているんだ」
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