第1話 池元班

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捜査会議が始まった。 まず第1、第2の犯行の進展具合から始まったが進展は何も得ることはできなかった。 だけど、刑事初日の私にとっては全てが新鮮で刑事から聞かされる捜査報告を必死で聞いてはメモをとった。 第一の被害者、田代春真さん25歳はフリーターで駅前の飲食店で早番として働いていた。 だが、事件当日はシフトチェンジがあり、17時から0時まで仕事をしていた。 そして仕事が終わり、自宅へと帰る途中、自宅近くのコンビニエンスストアに立ち寄った。 そのコンビニの防犯カメラの映像に田代さんが写っていたのだ。 だが、そこからの消息はピタリと消え、その数日後、死体となって発見された。 2度目の殺人、河瀬瑠太さん23歳も同様だった。 彼もフリーターでバイク屋で働いており、シフト時間は遅番だった。 そして、こちらも家に帰る途中に襲われた。 ここまでで分かった事は犯人が犯行を行うのは決まって夜。 そして、犯人は被害者のシフト時間、帰り道の経路などを完全に把握していた事だ。 では、次はどうやってさらったのか。 被害者2名は全員、徒歩で車は使用しておらず事件当夜、怪しげな黒のバン(ナンバーは不明)が防犯カメラの映像に写っていた。 だが、根本的な事が分かっていない。 被害者同士の接点だ。 彼らは歳も違うし、住んでる街も違う。 通ってる高校も違っていた。 それらに繋がりがない限り、この事件はやはり無差別殺人という事になる。
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