第1話 池元班

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刑事達の報告が終わった。 本多一課長はそれと同時に、刑事達にすぐ指示を出した。 「斎藤と草壁の班は里村快人の死体捜索にあたれ。犯人は人通りの多い道路で死体を捨てている。次に捨てる場所を予測し、警備に当たれば犯人と遭遇するはずだ。特に怪しげな黒のバンを見かけたら、すぐに報告しろ」 「はいっ!」 「池元、お前の班は里村快人が暴行を加えたと見られるコンビニ店員に話を聞いてこい。その店員は容疑者候補になる可能性が高いからな」 「了解しました」 「残りは引き続き、第1、第2の被害者周辺の情報収集にあたれ。以上、散開っ!」 本多一課長は指示を出し終わると、素早く立ち上がり、猿渡管理官と新宿署の署長らと一瞬に会議室を後にした。 管理職クラスの人達が外に出ると、座ってた大勢の刑事達が一斉に行動を開始し始めた。 私達も立ち上がり、池元係長の方に集まった。 「霧咲、メンバーへの自己紹介は済んだか?」 係長は指示を出す前に私の方へと顔を向けて、聞いてきた。 「はい。日野さんのお陰で名前を覚えました」 「よろしい。本当ならお前の歓迎会をしてあげたいところだが、まずはこの事件(ヤマ)を解決してからだ。犯人をこの手で逮捕して池元班の名を高めるぞ」 「はいっ!!!」 池元班全員が一斉に返事した。 その気合いの入った返事に、池元班の士気を感じ取った係長は首を縦に頷いた。 「よしっ!では早速、仕事に取りかかれ。まずコンビニへは日野と鉄さんで行ってくれ。都築と成瀬は里村快人の身元調査だ」 「了解しました」 4人の男性達が班長の指示に従う中、私1人が取り残された。
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