プロローグ

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警視庁警務部人事第一課課長室。 ここに今日、私は呼ばれた。 「失礼します」 中に入るとそこには人事部の課長が窓を見ながら、立っていた。 「まぁ、掛けなさい」 私が入ってる来るのを確認した課長はなんの気兼ねなく、応対ソファに手を向けた。 私は課長に一礼した後、ソファに座った。 「コーヒーか紅茶、どちらが良い?」 「では……紅茶で」 「分かった。部下に持ってこさせるよ」 課長は内線を使って、紅茶とコーヒーを頼んだ。 電話を切ると私の向かい側の応対ソファに座ると早速、用件を述べた。 「さて、君をここに呼んだのは他でもない。一昨日、君は一課長に呼ばれたね」 「はい。確かに一課長に呼ばれました」 「理由を聞かせてくれるかい」 ――もう、知っているクセに白々しい。 私は課長の顔を見ながら、そう思いながらも仕方なく答えた。 「池元一課長がこの度、退任されるとお聞きし、私がその後任を推されました」
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