第2話 捜査一課で最も自由な男

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捜査会議が終了して、約1時間後の事だった。 私と影原警部補は車で第1の被害者の皮があったとされる多摩川へと向かおうとしていた。 しかし何故、第1の被害者なのか……… あそこは他の班が担当しているから、私達が来たらまずいのではないのか。 訳が分からぬまま、私はカーナビの指示に従いながら運転していた。 後ろの席では影原警部補が横に寝転んで調書を読んでいた。 車内はとても気まずい空気で蔓延していた。 誰も喋らず、強いて言うならカーナビの声のみが1人で喋ってる感じだった。 だが、そんな気まずい空気なんかを諸共せずに影原警部補が喋り出した。 「なぁ、お嬢」 ――お嬢っ!? 「は、はい、何でしょうか?」 突然、呼ばれて私はビクッと驚いた。 「フハハハ、おいおい、良い大人がお嬢で反応するなよ」 影原警部補は後ろの席で、私の反応を見て楽しんでいた。 遊ばれてる私は勿論、腹が立った。 「まぁいい。今日からお前の事を“お嬢”と呼ばせて貰うよ」 「やめてください」 私は無表情で言った。 「怒るなよ。お前を呼んだのは本当だ。聞きたい事があってな。さっきのドーナツだがどうしてゴールデン・チョコレートがなくて、プレーンが入ってたんだ?」
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