第2話 捜査一課で最も自由な男

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私の怒りはいつの間にか消えた。 代わりに恐怖で寒気がした。 怒られるかもしれないという恐怖だ。 影原警部補はいつの間にか姿勢を元に戻しており、バックミラーから見える彼の鋭い眼光に震えが止まらず、ハンドルを握りしめるのがやっとだった。 だけど、黙っていても仕方がない。 私は正直に答え、ちゃんと謝罪した。 「申し訳ございません。ゴールデン・チョコレートが品切れでやむお得ず、プレーンを選びました」 「どうしてプレーンだ?」 「プ、プレーンにしたのは……か、係長からいつも渡されたメモのリストしか食べないからと……だから、たまには違う物と思い……」 「なるほどな……」 「お、お気に召しませんでしたか?」 すると男は鋭い目付きから、優しい目付きへと変わり、ニヤリと笑った。 「いや、良いチョイスだ」 その言葉を聞いた瞬間、私の緊張は消え失せた。 「なんだよ。怒られると思ったのか?お嬢は面白いなぁ」 またからかわれて、私の頬は膨れた。 「まぁいい。ゴールデンは俺にとってはベスト5の第4位だ。まだなくても許せるタイプだ。覚えておけ」 「なるほど、では1位から3位は何でしょうか?」
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