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 サクサクと足を沈めながら歩く。どこまでもどこまでも、真っ白な道は続いてて、私はその先へずっと歩いて行く。 『雪って不思議だよね』  いつだったかな、どんな話だったかな。  そう言って、とてつもなく寒い雪の夜、あの人は手のひらを天高く差し出し、そこに積もる雪を私へ差し出した。 『不思議?』 『そう。だってさーーーー』  サクリサクリと雪道を歩きながら、はて? 何を言ってたんだったかな。  いつ、どこで、どうしてそんな話をしていたのか、そして何を言われたかもわからない。  分厚い雲で覆われた、少しだけ寂しい色をした、空から降る雪を傘で受け、積もる雪に、やはり足を取られながら進む。
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