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「いや長いわ!結局何が言いたいんだよ!?」
成績はクラス内ビリ、集中力ゼロの亮太は痺れを切らして遥斗に突っ込む。
「つまり、司祭バレンタインは恋人たちが結婚することを望んでたんだから不謹慎では無いだろってことだ」
「最初からそう言え!!」
亮太が「そんなんだから女にモテないんじゃないのか」と吐き捨てると、遥斗は効果音が出そうなくらいギクッとした。いやそれよりもお前の最大の欠点は顔だから。
「というか遥斗、わざわざ訂正する必要無かったんじゃないのか?バレンタインが嫌いなのは亮太もお前も同じなんだろ?」
俺の指摘に遥斗はバツの悪そうな顔をし、亮太はやってやったと言わんばかりの表情になった。
「お、言われてみればそうじゃん。クラス1の秀才遥斗君、実は頭のネジでも抜けてるのか?」
「う、うるさいぞお前ら!だ、だがあれだ、バレンタインチョコ!あれは何があろうと許さん!まんまと日本の製菓会社の策略にハマりやがって!」
遥斗が、無理矢理当初の「バレンタイン許すまじ」という会話の流れに戻した。亮太もこれに賛同し、遥斗と亮太は女子が作るチョコレートに文句を付けて盛り上がり始める。
「そもそも、どうして好きなやつにチョコレートを渡すんだって話だよな!意味がわからん!!」
「本当だ。ラブレターでもペアリングでも無ければチョコレート。なんなんだ?『私の愛を込めたから、気持ちを体内に取り込んで』ってことか?」
「なんだそれキモすぎ!!」
「最近の危ない女子は、好きな男に贈るチョコに自身の爪や髪、血液なんかを混ぜると言うしな」
「それもはや食えねーよ!!ヤバいな!!バレンタイン危ないな!!」
「他にもだな……」
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