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やっと見つけた鼓に安堵する。 「岳、どした?」 「どした?、じゃねーよ!聞いてくれっ!」 あからさまに面倒臭そうな面を見て俺は安堵する。 「わ!なにそのめんどくさそうな顔!ま、見慣れたけどさ」 「……それで?」 「あのさ、菫さんオッケーくれた!」 「おお、良かったじゃん。ダセエ告白成功したんだ」 「全然ダセくねぇぞ!パクって告白した」 それもどうかと思ったが晴れて両思いになれたのなら大成功だ。 「今時、んな告白するやついねーよ。暑苦しい」 「それでも上手くいった」 俺は鼓の隣に座って、そのまま砂浜に寝転んだ。 「気持ちいいな」 「おお……気持ち良い」 安堵と酔いにウトウトしてくる。 ああ、やっぱ鼓には何でもさらけ出せんなぁ。 かっこ悪ぃトコも、気にしねぇで全部。 居心地がいーんだよなぁ。 いつだっけ、……ああ、小学3年ん時。 親と喧嘩して家飛び出した時。泣いてたら、鼓と会ったんだ。泣いてたの見られて超恥ずかしかったし、翌日学校で言いふらされるんじゃないかと思ってたけど、鼓もみんなもいつもと変わらなかった。 あれからだ。 鼓と、また来年も同じクラスになれますようにって……
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