ジャム入りチョコレートタルト

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「はよー」 後ろから声をかけられて振り向くと、幼馴染の隼人がいた。ふわぁ、と眠そうに欠伸をする。 「また徹夜でゲームしてたの?」 「本読んでたんだよ」 「マンガの間違いでしょ」 「まあな」 そんな短いやり取りをして、「じゃあ」とさっさと先に行ってしまった。 隼人とは家が近くて、朝はだいたい顔を合わせる。だからと言って、一緒に登校したりはないけれど。 ポンポン、と肩を叩かれる。 「おはよー由奈」 嫌な予感がして振り向けば、案の定、菜月がニヤニヤ笑いながら立っていた。 「みーちゃった♪」 ウキウキと声を弾ませて、そんなことを言う。 「相変わらず仲がいいねー」 「ただの挨拶だよ」 「怪しいなあー」 ほんとだって、と笑いながら、私は菜月と並んで学校に向かった。 学校指定の鞄の中には、昨日作ったチョコレートタルトが入っている。うまくできてるかな。昨日味見をしたはずなのに、やっぱり気になってしまう。
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