1章 出会い

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転校してきてから、一週間がたった。さすがにクラスメートも気づいたのか、あまり話しかけてこなくなった。 クラスの中でも派手なグループの人に睨まれているが、スルーしている。これも馴れているから。 いつもの通り、弁当をもって屋上に向かう。いつもは開いていない扉が、今日は少しだけ開いている。 「......が......そう......」 声が漏れているが、お構いなしに扉を開ける。 そこには二人の男子生徒がいた。二人とも綺麗な顔立ちをしている。 「誰?何で入ってきたの?」 ニコニコしながら尋ねているが、目が全く笑っていない。 「2-3月詠紅羽。あなたこそ、誰?」 「わぉ!僕らを知らないんだ」 当たり前のように放った言葉に唖然とする。 「そんなに有名なの?」 「一応ね、ああ、僕は2-5の桐ケ谷湊(きりがやみなと)。で、こっちは東雲鐔貴(しののめつばき)。これでも分からない?」 「うん。全く」 「そっか、......あ、君もしかして噂の転校生?」 「噂か分からないけど、転校生」 「ふーん。まあいいや、とりあえず......」 そう言って、近付いてくる。 「あの、あまり近付かないで......」     
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