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転校してきてから、一週間がたった。さすがにクラスメートも気づいたのか、あまり話しかけてこなくなった。
クラスの中でも派手なグループの人に睨まれているが、スルーしている。これも馴れているから。
いつもの通り、弁当をもって屋上に向かう。いつもは開いていない扉が、今日は少しだけ開いている。
「......が......そう......」
声が漏れているが、お構いなしに扉を開ける。
そこには二人の男子生徒がいた。二人とも綺麗な顔立ちをしている。
「誰?何で入ってきたの?」
ニコニコしながら尋ねているが、目が全く笑っていない。
「2-3月詠紅羽。あなたこそ、誰?」
「わぉ!僕らを知らないんだ」
当たり前のように放った言葉に唖然とする。
「そんなに有名なの?」
「一応ね、ああ、僕は2-5の桐ケ谷湊(きりがやみなと)。で、こっちは東雲鐔貴(しののめつばき)。これでも分からない?」
「うん。全く」
「そっか、......あ、君もしかして噂の転校生?」
「噂か分からないけど、転校生」
「ふーん。まあいいや、とりあえず......」
そう言って、近付いてくる。
「あの、あまり近付かないで......」
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