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前途多難な思い人
東京からの転校生はめっちゃ美人で俺好みやった。
転校してきて1週間、毎日一緒に駅まで帰って、少しはなじんできたやろ思って訊いてみた。
「なぁなぁ、俺とつき合わへん?」
あいつは首を傾げて、どこに?と訊いた。
「どこって……、あー、ほなまあ、とりあえず、ここ?」
ちょうど駅前にマクドがあったから二人で入った。
今のは俺、かわされたん? それともボケたん?
「ホントにマクドって言うんだね」
ポテトをかじりながら、向かいの席であいつが笑う。
何も疑ってない顔に、マジボケかと肩から力が抜けた。
「発音ちゃうで、マクドやない、マクド」
マにアクセントを置くのを訂正すると不思議そうな顔をして、クにアクセントをおく大阪発音を不器用に真似している。
「マクド? マクド? …マクド?」
「マクド、言えてるで」
「ホント? 言えた?」
なんや、その無防備な笑顔は。
くっそ、かわいいな。
クールな美人顔のくせにちょっと抜けてるとこもめっちゃ好みや。
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